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石組みの基本 |
石組みは造園の中で最も難しいものの一つです。 松の手入れも確かに難しく、ともに年季と感性が必要だ思います。 しかしそこに至るためには知っておかねばならない基本的なことがあります。 その、本当に大切な石組みの基本についてお話したいと思います。 庭園と自然庭園とは何かという定義をすると、かなり広い意味になってしまいます。ここでは、もっとも一般的に好まれる日本庭園としての、小庭を前提として考えます。 だいたい、日本的な庭園というのは、僧侶によって極楽浄土を表現しようとしたところに起源があります。 この極楽浄土は、人々の憧れの究極の姿です。 見たこともない宇宙人の住んでいる世界ではなく、あるいはビルの立ち並ぶ都会の姿でもありません。 緑豊かな、形の良い、そうして和やかな自然の姿を求めているのです。 要するに、今求められている庭園は、多少の抽象を加えながらも、自然の姿を逸脱してはならないのです。 上流と下流水は当然上流から下流に向かって流れます。このとき、流れの中の動ける石は水に押されて、転がりながら下流に進みます。 転がりながら進みますので、石の角は徐々にとれて丸みを帯びてきます。 岸の石など動けない石も削られてきます。 このため、自然界においは、上流では角ばった石が多く、下流では丸みを帯びた石が多くなってくるわけです。 庭における流れの場合、山奥の上流から、川幅の広い下流まで全部を表そうとすれば、上流と下流では石の角のとれ方をこのようにしなくてはなりません。 そうでなければ不自然な形態になってしまいます。ただ、庭を作るということは、単に自然の一部を再現するのではありません。 芸術としての、抽象と創意が必要です。 石の色揖斐地方の石は大体薄茶色をしています。鳴門地方の石は青い色をしています。 このように地方によって石の色は大体決まっています。 これは庭を作る場合に注意しなくてはならない重要なポイントを意味しています。 自然界の様子に近づけようとするのですから、ある地方における川の様子であるべきなのです。 茶色の石と、青色の石が混在しているというのは、自然の場合、ありうるでしょうか。 たいていの場合、青なら青一色になりやすいのです。 濃い青もあれば薄い青もあり、白っぽい青や、黒いものもあるかもしれませんが、赤い石は混在する可能性は低いわけです。 ただ、長い川ですと、地方をまたぐ場合がありますので、上流から押し流されてきた石が、違う色をしている場合もありえます。 このような理由で、単純には、同じ系統の色をした石でまとめるのが自然の姿を表しやすいです。 ただ、庭を作るということは、単に自然の一部を再現することにとどまるのでなく、芸術としての表現や創意も必要です。 時には青の中に赤を入れるのも良いでしょう。 庭としての基本を理解したうえで、そのようにすることが大切です。 |
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