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庭作りの基礎:庭園の観賞方法
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庭作りの基礎:庭園の観賞方法

   
庭園の観賞方法
 
趣味を楽しむ中で、庭園の観賞方法には三通りの方法があります。歴史的、美術的、技術的の方向から観るのがよろしいです。
  歴史的に観賞する方法
  美術的に観賞する方法
  技術的に観賞する方法
です。
以下、この三つについてお話します。
 
  歴史的に観賞する方法
庭園を歴史的な面から観る場合、作庭の時代、作庭者、歴史的背景などがその対象となります。
もちろん学術的な見解ではなく趣味としての話ですが、歴史的に観賞するということは、なぜここにこのような形の庭園が作られたのかを知るということです。
例えば、枯山水の庭は禅宗の影響を受けているといわれますが、それならば禅宗とはどのような宗教であり、何を主張しているのであろうか、その結果として枯山水を作り出しているのだなと納得できるように観賞しようとか、更に一歩踏み込んで、禅宗の与えた影響は庭園だけだったのだろうかと調べを進めるなどです。
しかしそのように実行しようとしますと、庭園の観賞に軸足を置いてはいますが、非常に幅広く勉強しなくてはならず、時には行き先を見失いがちになります。
そこで、お勧めしたいのがその庭園の作者、作庭者を捕らえることです。
例えば、夢窓国師とか小堀遠州などの著名な作庭家の作であるとか、明治になってからの小川治兵衛の作った庭ではないかなどということです。
その作庭家の特徴などを調べ、今観ている庭園がはたしてその線に沿っているかなどと観賞するのはとても楽しいことです。
 
 美術的に観賞する方法
この方法論も趣味としてのことです。
美術を専攻した人は、庭園の鑑賞において、よく構図を題材として取り上げ、キャンバスに描いて主体とそれを強調するものの関係とか、あるいは反対側にあるものはどれかなどと分析されることが多いようです。
しかしこういう分析において注意しなければならないのが、作庭当時にそのようであったのかということです。
笑い話ですが、鎌倉時代の庭園を観賞しているときに、背景のマンションとよく調和していると感心しているとか、実生の木を観て、これはいい、この木のおかげで庭全体が引き締まっている、などと観てしまうことです。
構図的に観賞する場合、注意しなければならないのは、その庭が作られた当時、どうであったかを推定する必要があるということです。
 
 技術的に観賞する方法
同様に趣味の世界での技術的に庭園を観賞するということは、一つには庭の配置構造がどのようになっているかを見る方向と、もう一つにはどのようにして作られているかを見てみることです。
まず配置構造としては、計画の技術ともいえますが、池の形、大きさ、位置、水の流れる方向をこのように計画したのかと納得することです。
石の配置も重要なポイントです。
垣根や灯篭、つくばい、あづまやなどをどこに置いているのか、良く理解しましょう。
施工上どのようにして作られているのかも奥の深い課題です。
池のふちの石組みはどこでも見られますが、実は昔はこれは大変な技術を要することだったのです。
現在ではコンクリートで基礎を打ち、その上に石を置くだけでよいのですが、昔はコンクリートが無かったのです。
どのようにして長年月耐えうるように作ってあるのでしょうか。
このように、庭作りの技術を観てみるというのも大変面白い方法だと思います。

 

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