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庭作りの基礎:素材による様式 |
日本庭園を造っている中心的素材の様式を知っておくことは、庭作りのための基礎知識として重要です。趣味で楽しむときもこのことは役に立つでしょう。 雑木を使った庭や、石を使った庭、あるいは水を主体とした庭などがあります。順に説明します。 雑木を使った庭 自然の野山には雑木林がいたるところに見られます。 コナラやクリなどとりたてて見栄えのするようなものではありませんが、自然の原点と言っても良いでしょう。 このような雑木を庭の素材として使う場合、その一番良い点は季節感があることです。新緑や紅葉、そして裸の枝。どれも正にその季節を十分に表してくれます。 しかし、狭い庭に一本だけ植えるのは、いかがかと思います。やはり広い庭の一部に雑木林を作りこむといった考え方のほうが良いようです。 ただ、そうではなくて、借景と言う方法があります。 借景と言うのは、敷地境界の外側にある景色を自分の庭の景色と一体化させることです。例えば庭の向こうに山があり、そこに雑木林があるならば、自分の庭に一二本の雑木を植えるだけで景色がつながってきます。 趣味で楽しむときには一番利用しやすい素材です。 石を使った庭 石を使った庭園として有名なのは、京都の竜安寺です。 しかし、石を主体とした庭はいたるところにあります。現代風に言えばロックガーデンということになりますが、富士山や浅間山の溶岩を使うことが多いようです。 しかし、伊予の青石をふんだんに使うのも趣があってよいでしょう。 赤系統でも可能ですが、あまり派手な赤は避けたほうが無難です。 ロックガーデンだ、石庭だといっても、本当に石だけで構成した庭を作るのは難しいことです。少なくとも苔をつけたくなりますし、植栽やあるいは花も岩間に植えたくなってきます。 石を主体とし、調和がとれていれば自由に庭作りすれば良い訳です。 最近の家庭における石庭はほとんどこのような様式になりつつあります。竜安寺の石庭のような様式は少なくなってきています。 趣味で作る庭も多くの場合もよく石を使います。これは眺めて楽しむのに深みが感じられ、とても良い良い素材です。 水を素材とした庭 庭に使われている素材は、そこから受ける印象として「静」と「動」とに分けることが出来ます。 一般に、樹木や芝生は動であり、石や大木は静の感じになります。 水は、その扱いによって静にも動にもなります。 流れや噴水は動となり、池や蹲は静となります。 そのような感じ方において、静かであると感じるのは本当になにも音のないときというよりも、雨だれの音とか、時計のコチコチと言う音などを聞いたときに、ああ静かだなあ、と感じるのです。一つの単調な音以外になにも聞こえないという静けさが静かさを表すのです。 庭作りにおいて用いられるのは、僧都(そうず)です。竹筒で作ったシーソーのようなもので、一方に筧から水を注ぐことによって、時々、コーンという単調な音を発します。つまり静けさを強調するためにわざと音を作っているのです。 せせらぎもそうです。滝もそうです。 このように静けさを表すために単調な音を発するもの、それは水なのです。 私が今回流れのある小庭を作ったのも、この水を主素材として趣味を楽しむようにしたものです。 野草を素材とした庭 庭というのは何も樹木や石を素材とする必要はありません。 京都御所の中には萩壷(はぎつぼ)という萩だけが植えられている小さな庭がありますし、東京には向島百花園という野草を主とした庭があります。 日本人には野生のものに愛着を感じる心があります。春の七草、秋の七草などと野草の持つ美しさを大切にすることができます。 そのため、野草を中心とする庭作りもよいのです。 ただ、野草の庭は手入れが大変になります。除草剤が使えないことも原因の一つです。除草剤には選択性がありますが、それは農作物は枯らさず、雑草を枯らすように作られています。野草は雑草と同じですから雑草の中の雑草を除草剤で処理することが出来ないのです。 また、野草にもいろいろの種類があります。日光を好むもの、そうでないもの、水を好むものそうでないもの、色々の条件を適切に満たしてやらなくてはなりません。 野草を集めるのに、薬草を集めてみるのも良いでしょうし、散歩の途中で好きなものを集めるのも良いでしょう。あるいは自分の住んでいる地域の野草を集めてみるなども良いのではないでしょうか。 私の家内は趣味でハイキングによく出かけますが、そのたびになにがしかの野草を採ってくることが多いです。 |
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