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滴下安定のノウハウ |
趣味を楽しむ写真を撮るのですが、水のクラウンに第二の水滴を衝突させようとするとき、滴下間隔の安定についてのノウハウを紹介します。
滴下を開始すると、徐々に遅くなってくると言う問題と、滴下間隔がばらついて安定しないと言う2つの問題があります。 滴下間隔が正しくないと、最初の水滴で出来た柱状クラウンと、次に落下してくる水滴とが狙い通りのところで衝突してくれません。 趣味で始めたのですが、ようやく分かりましたのでこれらの問題点を改善するためのノウハウを紹介します。 1 徐々に遅くなる問題の解決趣味で始めたわけですが、上手く行かずもう泣きそうになりました。デジカメならいくらでも撮ればそのうち良いものが出てくるでしょうが、フィルムが趣味なのですから一発必中でなくてはなりません。趣味を楽しむのも必死です。なかなかうまく当たらないのです。その原因と対策がようやく分かったのです。趣味の話の別のサイトでも、徐々に遅くなってくるため困っていると記されていました。 私も最初はそうだったのですが、滴下部において、シャープペンシルの先端をオリフィスにしていますが、ここにわずかにゴミがたまっているのを偶然見つけました。 細いオリフィスにゴミが詰まれば遅くなるのは当然です。 掃除してやりますと、元の間隔に戻ってきますが、またゴミが詰まるのです。 何度奇麗に掃除してもそうなるのです。 どこからゴミが来るのかなかなか分りませんでしたが、空気中のチリが水中に入り込み、オリフィスまで運ばれてくることが分りました。 そこで、どこかにフィルターを入れればよいわけですので、上部の水溜からシリコンチューブに移る部分(キャップ部)に、不織布を軽く詰め込みました。 不織布自身の繊維も問題ですので、シリコンチューブの先端を開放しておいて、どんどん水を流し、離れている繊維を取り去りました。2リットルのペットボトル3本ほど流しました。 その結果、シャープペンシルのオリフィスに引っかかる物は何も無くなり、徐々に遅くなるという問題は大幅に改善できました。 更に、突然大きくランダムに早くなったり遅くなったりしたのは、オリフィスに詰まりかけていたゴミの一部が流れ出ることによって速度が回復し、また詰まってくることによって遅くなったりするためでしたので、この問題も解決しました。 それにしても空気中のホコリが影響するとは驚きです。 こういうことを発見し改善することは趣味を楽しむことにおいて最大の喜びを感じます。たかが趣味なのですが、されど趣味です。結構むつかしいものだと感じました。 2 安定しない問題の解決ほぼ一定した間隔で滴下しているように見えても、シンクロスコープで見ていますと、たとえば90msに合わせようとした場合、93ms、90ms、87msなどと90msを中心にばらついています。しずくの重量が表面張力を上回ってくるまでの時間が滴下間隔になります。これはバランスの破壊ということであり、時計の振り子のように正確にはならず、バラックのが常です。 そのばらつきの原因として考えられるのが濡れ性の問題です。いくら流量を一定にしてやっても、滴下口におけるしずくの濡れ方に変化がありますと、それは直接滴下時間の変化に現れます。 ある時は水をはじくようになっており、ある時は水がへばり付くようになっているということになれば、はじくようになっているときは滴下間隔が短く、へばり付く時は滴下間隔が長くなります。 これは極端な言い方をしたわけですが、一粒づつのしずくが、滴下口に何時でも同じようにくっ付くとは限らないようです。 そこで、私は滴下口にCRC(油)をつけ、磨いてやりました。最大に水をはじくようにしてやるわけです。 これでずいぶんバラつきは小さくなってきました。 更にもう一つの効果がありました。 前述のようにゴミのフィルターを入れたことによって大幅に良くなったのですが、まだ、少しづつ遅くなっていましたが、この滴下口を磨くことによって、元の間隔にもどるようになりました。 たぶん、水垢のようなものが滴下口に付着し、濡れせいが良くなってくるために、しずくが落ちにくくなってくるのだと思います。 頻繁に磨いてやるのがよろしいです。 まだ試していませんが、滴下口をテフロンなどで作れば更に良くなるかもしれません。あるいは完全に濡れせいの良い材料にする方法も考えられますが、これらの対策で実用領域に入り、何とか写真を撮り終えることが出来ました。 趣味の醍醐味というか楽しみと言うか、こういう問題点の原因を見出し、解決していくことに楽しみを感じます。 やっぱり私は技術屋なのでしょうか。どうも芸術家ではないようです。 しかしこの困難を乗り越えたことがコンテストで評価されたのだと思いますが、優秀賞を受賞することができました。趣味の楽しみは人生の楽しみだと言っても良いのではないかと感じています。 |
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