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趣味を楽しむ:スプーンの歴史


スプーンの歴史

筆者私はスプーンの専門家ではありません。趣味を楽しむうちにスプーンについて少し詳しく調べてみたのです。その研究結果を記しています。
発掘調査によりますと、ヨーロッパでは、新石器時代に使われた陶器製や骨を削ったスプーンが発掘されています。
すでにギリシャ・ローマ時代には薬品の調合用や調理用としてスプーンが使われていたと考えられます。
しかし、ヨーロッパを中心に一般に普及したのは、17世紀から18世紀になってからです。
ナイフ・フォーク・スプーンのセットで食事する形式が確立されたのは、19世紀ごろといわれています。

イギリスでは、洗礼式にスプーンを贈られる習慣があり、身分や貧富の差によって材質が異なっていました。
このことから、裕福な家で生まれたことを表す「銀の匙をくわえて生まれてきた」という言い回しがありました。

日本でも旧石器時代以降、古代の埋蔵品から木製のスプーンが出土しています。
『今昔物語』によりますと、平安時代には貴族が銀のスプーンを使っていたようです。
中国料理に使われるスプーンは、ハスの花びらに形が似ていることから蓮華(れんげ)と呼ばれるようになったと言われています。
しかし、やがて日本では、お椀を直接口に運んで汁を飲む習慣が生まれ、日常の食事にスプーンは使われなくなりました。
江戸時代に、将軍家や大名に仕えていた医者のことを、匙を使って薬を量ることから「お匙」と呼んでいました。
このことから、医者が患者を見放すことを「匙を投げる」というようになったとされています。

大正以降、カレーライスなどの洋食の普及に伴って家庭にも再びスプーンが普及するようになってきました。
ただ、日本の家庭では、スプーンは洋食や中華料理に用いる傾向が強く、味噌汁など日本で古くから食されていた汁物などは、お椀を直接口に当て、現在でも箸のみで食べるのが一般的です。
和食を提供する飲食店で、味噌汁にスプーンが出されることは滅多にありません。

なお、中国や朝鮮半島など日本以外の東アジア地域では、お椀を直接口に運んで汁を飲む習慣がなく、匙と箸を使って食事します。


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